オリパはなぜ儲かるの?古物許可を取るべき理由

COLUMN
2022.11.10

トレーディングカードで遊んでいる、コレクションしている、投資している、という方は「オリパ」についてよく悪評を耳にしたことがある方も多いかもしれませんね。

この記事では、オリパを自分で作って売ってみたい人向けの記事になっています。オリパとはそもそも何なのか、個人で売る場合のメリット・デメリット、悪評を聞くけどみんな買っているオリパの魅力は何か、などにも触れていきます。

オリパとは

オリパとは、オリジナルパックの略称です。メーカー公式ではなく、トレカ専門店や個人が複数枚のトレーディングカードをランダムに組み合わせて ”1つのパック” として作成し、販売する非公式パックのことを指します。

ハズレや当たりのあるクジや福袋をイメージしていただくとわかりやすいと思います。

トレーディングカードゲーム(TGC)業界特有の商品で、目新しいものではなく昔から存在します。ポケモンカードや遊戯王カード、マジック・ザ・ギャザリングなどなどいろいろなジャンルで制作されています。

オリパ開封動画のコンテンツを主とするYouTuberの登場やフリマサイトなどの個人売買アプリの普及、SNS等での販売によってトレカ専門店以外でも手にすることができるようになりました。特に、トレカ専門店においてはオリパ販売を行っていない場所はないと言っても過言ではないかもしれません。

オリパはなぜ売られている?

オリパはクジのようなものです。

そもそもメーカー公式から販売されているパックも(たとえばポケモンカードの拡張パックなど)レアカードが入っていることは稀で、ハズレがあれば、当たりもある宝くじ要素があります。オリパの魅力も宝くじのように「買い続けていれば、いつか大当たりするかも」と考えてしまうワクワク感にあります。

オリパの販売のメリット

販売側の視点から、なぜどこもかしこもオリパを販売しているのかというと、単純に「簡単で儲かる」からです。
オリパは、売上(販売価格×個数)を下回る原価で仕入れができれば、残りはすべて粗利となるシンプルな仕組みで成り立っています。原価を押さえれば儲かるのです。

メリット例

  • 袋詰するだけなのでパック制作が簡単
  • トレーディングカード特有の保管のしやすさと配送費用が安価
  • ショップでの大量購入によるポイント獲得でさらなる仕入れが可能
  • 買取で出すと価値が低いカードもオリパに封入し販売できる
  • 宣伝費用をかけなくてもフリマアプリ等で販売ルートが確立されている

オリパの販売のデメリット

個人でも簡単に制作して販売が行えるオリパですが、利益を目的として繰り返し販売を行う場合には古物商許可が必要になるケースがあります。

販売プラットフォーム側でも古物許可証の提出を求めるところが出てきました。
ネットショップを無料で簡単に作成できるBASEでは、以下の該当商品の販売を行う場合には古物許可証の提出を求める対応がされています。

  • カード販売
  • オリジナルパック販売
  • 弊社サポートにて上記該当すると判断した商品
引用:BASE – FAQ 「古物商許可証の提出は必要ですか」

トレカ専用フリマアプリのmagiでは、個人でもオリパ販売が可能ですが、販売目的の場合はプロフィール欄への記載を求めています。

販売目的で仕入れている物でオリパを作成、販売する場合はmagi運営事務局への古物商許可証の提出を行い、プロフィール欄に古物商許可番号の掲載が必要です

引用:magii「オリパ・福袋の販売ルールについて」

オリパには古物商許可が必要?

オリパ販売をする場合、用途によっては古物許可証が必要になります。古物許可証とは、法人または個人が古物営業法で決められている古物を売買または交換する際に取得が必要になるものです。

「古物」とは、一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。

引用:古物営業法

簡単に言うと、一次流通以外の場所で仕入れた商品は古物に該当します。新品であっても、一度市場に出て再販されたもの(二次流通)は古物になります。

どんなときに法律違反になる?

古物営業法では、利益を出そうという意思をもって継続的に営業を行う場合に必要で、取引金額の大小関係なく古物で利益を出す場合に古物商許可がないと法律違反になります。一方、自身がお店で買った新品をフリマアプリなどで転売することは、古物営業に当たりません。

オリパは古物にあたるカードを扱う場合が多いため、「利益」を目的とした商品を継続的に販売していた場合は古物許可が必要に該当する可能性があります。個人でオリパを販売して利益を得たい方は、古物許可を取得することをおすすめします。

(許可がない場合に法律違反となる可能性がある場合の例)
※これらを下回っていれば販売業者でないとは限らない。
※メーカー、型番等が全く同一の新品の商品を複数出品している場合は、該当する可能性が高い。

  • 過去1ヶ月に 200 点以上又は一時点において 100 点以上の商品を新規出品している場合
  • 落札額の合計が過去1ヶ月に 100 万円以上である場合
  • 落札額の合計が過去1年間に 1,000 万円以上である場合
引用:インターネットオークションにおける『販売業者』に係るガイドライン

古物商許可を取得しないで利益を得る目的を持ち、中古品の転売を継続した場合は、「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」に処せられる恐れがありますので留意してください。

古物商許可証取得にかかる費用

古物営業法では、都道府県公安委員会の許可を受けなければならないと規定されています。法人であれば、営業所のある都道府県の警察署。個人で営業所が無い場合は、住所を管轄する警察署が窓口になります。ちなみに、営業所が県またぎである場合(例:東京都と神奈川県にある)はそれぞれを管轄する警察署にて申請する必要があるので注意です。

古物商の許可申請に必要な手数料は、19,000円。身分証明書や住民票など必要書類を発行する必要があるので、約20,000円ほどになります。原則、申請から40日以内に申請場所の警察署から許可または不許可の連絡がきます。時間がかかるので余裕を持って申請をしましょう。

申請は行政書士に代行依頼するケースも珍しくありません。しかし、自身で申請する場合よりも倍ほどの費用が相場です。わからないところは警察署で詳しく聞くことでカバーできるので、自身で申請するのがおすすめです。

悪質なオリパに注意して購入しよう

オリパ販売ではしばしば詐欺まがいの販売が横行しています。

例えば、

  • 「5,000円相当のカードが入ってて2,000円!」などという謳い文句で、500円ほどの価値にしかならないカードだけが入っているパックを2,000円で売る
  • 「還元率の低いパックしか販売していないのに」友人・知人に協力してもらい、常に還元率の高い開封結果であることをSNSに投稿してもらう

これらは簡単にできてしまいます。

特に個人間での取引は要注意です。パック化される前のカードをすべて見える状態で並べ、封入、販売しているところを確認できるわけではないので、売る側と買う側の信用が成り立っていない場合は、購入を控えることをおすすめします。できれば、トレカ専門店(サービス等)や古物許可証を所持している売り主を選ぶようにしましょう。

フリマサイトやトレカ専門取引サービスを介して購入を検討している場合、販売元へのコメントの他に「評価」や「認定」といった概念が付いています。それらが悪いと売れなくなるため、以前ほど詐欺まがいの販売は減っている印象もあります。とはいえ、悪意のある販売自体がなくなっているわけではないため、そのことを念頭に置いて取引してください。

オリパの価格帯は数百円〜数万円と手が出しやすく、ハイリターンを望む方には数百万円のものも売り出されています。ギャンブル性の高い仕組みになっているので、「3万円相当分のカードが入っているパックが1万円で購入できます」のような元値以上のカードが確定しているオリパをおすすめします。また、中のカードが把握できるとなおのこと良いと思います。

まとめ

オリパの魅力はなんといっても「ワクワク感」。しかしながら、販売元がトレカショップであれ個人であれ「利益」を加味しての金額・内容であることを承知した上で、宝くじを買うような気持ちで購入するのが良いでしょう。

購入する際は動画やSNSでオリパ開封結果を公開したり、還元率が低いオリパを販売すると名指しで評価されることもあり、悪質なパックを作成するところも減ってきたように思いますが、有名どころのカードショップまたは古物許可証を持つ評判の良い個人以外からの購入は控えたほうが良いかもしれません。




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